こんにちは。広報担当 なみこです。
2月のDiverse全体定例で行ったゲスト講演についてお伝えします。

今回は、女性が『結婚~出産』という大きな人生のイベントを迎えた後、どのように復職をしていくか、NPO法人マドレボニータの太田 智子(おおた ともこ)さんにご講演いただきました。

「育休」でつまずかない、つまずかせないためにできること

NPO法人マドレボニータ 太田智子さん
NPO法人マドレボニータ 事務局次長 太田智子さん

講演は、子どもを産んだ直後の女性の体に起きる変化についてのショッキングなお話からスタート。子どもを産んだ直後の女性は「例えるなら、全治一ヶ月の怪我を負ったのと変わらないほどに体力が落ち、人生で何度もないくらい大きくホルモンバランスが崩れてしまいます。」というお話に、女性従業員だけでなくあらゆる立場の従業員がごくりと唾を飲んでいました。
 
会社としては、産後の女性従業員には元気に復職してもらいたいというのが本心。だからこそ、体力もなく心も落ち着かない女性が、育児もしながら復職を目指すために、産休育休中から準備を進めてもらうことが大切です。そのための正しい「産後ケア」をすることが大切だと、太田さんには伝えていただきました。

「産後ケア」の進め方

期間を「妊娠中~出産を経て産褥期(産後8週)まで」「産後リハビリ期(産後2~6ヶ月)」「復職準備期(産後7ヶ月~)」にわけ、手順ごとに「産後ケア」で何をする必要があるのかを説明していただきました。

「妊娠中~出産を経て産褥期(産後8週)まで」

妊娠中は夫婦で産後に向けて知識を蓄え、産後8週までの産褥期は妻の体力回復のために専念する期間にすると良いとのこと。

STEP1:夫婦で産後の体制づくりをしてしっかり「養生」する
  • 2人で協力して「産後」について知ることからはじめる
  • 夫が妻の産後のマネージメントをするのは自分だという自覚をし、妻が回復に専念する間にやらなければいけないことを準備する
  • 退院後の妻はまず徹底的に体を休め、自分自身を回復させる
育児、妻の復職、共働きでの仕事と子育ての両立、いずれであっても「夫婦2人のプロジェクト」と認識し、産後をどう過ごすか相談して、育児をはじめましょうとのお話がありました。

「産後リハビリ期(産後2~6ヶ月)」

産褥期を乗り越え体力が戻り始めたら、産後6ヶ月までは社会復帰に向けての「リハビリ」期間の開始です。

STEP2:体づくり
  • 復職にも育児にも体力を使うので有酸素運動をして体力を取り戻す
STEP3:仲間づくり
  • 外に出ていき育児の相談だけではなく、この先の人生や仕事の働き方について自分の話ができる場所・仲間を作る
この時期は心と体のケアに時間を使いながら復職の土台作りをしましょうとのこと。

「復職準備期(産後7ヶ月~)」

心も体も整ってきたら、産後7ヶ月以降は復職のための具体的な準備をはじめていきましょうとのお話でした。

STEP4:自分に向き合う
  • ひとりになる時間を作って、読書や勉強、趣味のことをする
  • 妻がひとりになる時間を作るために、夫はサポートをする
STEP5:パートナーシップの再構築
  • 復職後にどう働きたいか、何をしたいのかを夫婦で共有して、家庭内での家事の分担や外部サービス導入を相談する
STEP6:職場とのコミュニケーション
  • 勤務体制についてどうするか、という相談だけではなく、どういう意欲で復職したいか、どんな育休を過ごしたかを会社に共有して関係性を築く
育児に専念することで、「自分」としてではなく「母」としてのアイデンティティがほぼ100%になってしまいがちですが、社会人としての自分の姿や働く母として子どもに見せたい姿は何かを考え、個人としてのアイデンティティを取り戻していくことが復職直前に重要になるということでした。

産休から復職までにしなければいけないことを理路整然とお話していただいたことで、出産を控えている従業員や出産経験者だけでなく、結婚や育児の経験がない従業員であっても、自分事として考えるきっかけになったのではないかと思います。また、同僚やパートナーが出産をすることになったときにも、どのようにサポートしていくべきかという知識を得られたのではないかと思います。出産や産後というと個人の問題にされがちですが、復職後も存分に力を発揮してもらうためにも、会社として同僚や上司が理解を深められるようにし、職場環境をより良くしていきたいものですね。

「産後ケア」についてより詳しく知りたい方は、NPO法人マドレボニータの活動内容を御覧ください。

NPO法人マドレボニータについて

マドレボニータとはスペイン語で「美しい母」という意味です。
1998年に創立され、2008年にNPO法人化されました。
「産後を起点とする社会問題を解決」するために、産後女性の体と心のケアの活動を全国約60ヶ所で行っています。